dept24’s diary・生田和良・大阪大学名誉教授

ウイルスの目を通して、人間社会のウイルス感染症についてつぶやきます。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

新型コロナウイルスが宿主細胞に感染するときは、肺、腸管、心臓、動脈、腎臓、睾丸などに分布している細胞の表面に存在しているACE2と呼ばれる酵素活性を持つ分子(=新型コロナウイルスの受容体)に結合する。これを第一歩として感染を成立させるので、この分子が担う血圧調節などに影響が、新型コロナウイルスの感染で起こりえる。

少々複雑な話になるが、ACE2と呼ばれる、新型コロナウイルスの細胞の受容体について、簡単に説明したい。今回の話は複雑で、わかりにくいのだが、何となくでもイメージを掴んでもらいたいので、まずは最後まで読んでいただければと思う。 新型コロナウイルス…

新型コロナ対策への意見がばらばら

新型コロナ対策として、①飛沫感染対策(マスクなど)、②接触感染対策(手洗いや消毒など)、③エアロゾル感染対策(換気など: 室内で二人以上一緒にいる場合)の3つが推奨されている。 最近になって、②については、ほとんどの場合にはそれほど重要ではないといわれ…

新型コロナワクチン接種が進行中です:ファイザー社とモデルナ社の製品ですが、どちらもmRNAワクチンです。どういう原理のものなのか簡単に解説します。

医療従事者に次いで、高齢者へのワクチンが始まった。それぞれの自治体で接種が進められているワクチンはファイザー社製で、大規模接種会場で進められているワクチンはモデルナ社製のものである。どちらもよく似た仕組みのワクチンである。 新型コロナウイル…

今朝の朝日新聞から:米国の感染症対策を担う米疾病探索センター(CDC)が新型コロナについて検討した意見として「手洗いは必要だが、清掃や消毒はあまり重要ではない」と

街中で、誰か(ひょっとして新型コロナウイルスに感染した人?)の飛沫がついたドアノブやエスカレーターの手すりなどに触れた手で、目、鼻や口の粘膜に触れることで、新型コロナウイルスに感染するリスクがあるといわれ続けてきた。 しかし、その接触感染リ…

本ブログでは、ウイルスの眼を通して、人間社会の新型コロナの状況を見る

「ウイルスの眼を通して」 vs 「人の眼を通して」 ウイルスの眼を通して 人の眼を通して ウイルスは、感染した宿主細胞に子孫ウイルスの産生をお願いする立場である。まず、子孫ウイルスを作るための遺伝情報(ゲノム)を送り込む。そして、たくさんの子孫ウ…

しとしと ぽつぽつ ざーざー 「雨が降っても降らなくても、コロナでほぼ同じ過ごし方だ」

緊急事態宣言。不要不急の外出不可もぅうんざり、でもまだ延長の声が!えっ、いつまで? いつの間にか梅雨入りで、毎日雨ばかり。新型コロナウイルスの感染者数や死亡者数で、大阪は東京を上回る日が続いていた。しかし、緊急事態宣言でやっと感染者数はわず…

われわれウイルスの眼から見ると:

いろいろな新型コロナウイルス変異株を生み出しているが、実はこれらは失敗作である。親の遺伝情報を読み間違え(コピーミスし)て、子孫に伝えてしまったものである。 しかし、それが人間社会に大きなダメージを与える結果となり、われわれウイルス側として…

われわれウイルスの眼から見ると:

いろいろな新型コロナウイルス変異株が出現していることで、政府や地方自治体などの行政機関は、変異株かどうかをどの程度検査できたかをについて競争しているように見える。ところで、何のためにそんな検査が最優先事項になるの?変異株が優勢になってるこ…

われわれウイルスの眼から見ると:

新型コロナ対策が優先か?、それとも東京オリパラ開催が優先か? まあ、われわれウイルスからすれば、日本という国はどちらが優先になっても、子孫繁栄に協力的な国だと思うが 日本の、新型コロナ対策や東京オリパラ開催の是非に関する最近の話題をまとめる…

われわれウイルスの眼から見ると:

欧米先進国を参考にすれば、新型コロナ対策にはワクチン接種を短期間に進めることが効果的であることは明らかであるが、日本はどうして早くしないのかな? まあ、われわれウイルスからすれば、日本という国は子孫繁栄に協力的? ワクチンの開発は、欧米先進…

緊急事態宣言の延長、ホンマ「やる気が出な~い」

ーーウイルスの眼から見れば、人間のやっていることはわれらの思うつぼやーー 大阪はどうなっているのだろうか? 自粛自粛で、「おうちで何かすることを見つけて、外に出かけないことが偉い」、って感じの社会になってしまった。 連休も明け、「もういい加減…

われわれウイルスの眼から見ると:

屋外にいるのに、どうして皆さんマスクをつけているの? ひとりで車を運転しているときでもマスクをしていて笑ったわ 屋外では、周囲の人から2メートル以上離れている場合には、マスクをはずしませんか? 新型コロナウイルスに感染する感染ルートは、飛沫感…

マスクの付け方が大事

マスクのつけ方が、新型コロナウイルスをうつす、もしくはうつされる割合を大きく左右する 感染した人と感染していない人が一緒に2~3時間いると、うつす又はうつされる割合はマスクのつけ方で左右される マスクを正しくつけると、屋内外での新型コロナウイル…

換気が悪い部屋に一緒にいるとマスクを付けていてもうつる可能性がある

マスクをつけていても、会話や呼吸でも、小さな飛沫(エアロゾルとかマイクロ飛沫と呼ばれる)を放出しており、感染した人と感染していない人が一緒に2~3時間いると、うつす又はうつされる可能性がある エアコンには循環式エアコンと換気機能付きエアコンが…

部屋に一緒にいる時は換気・空調が大事

マスクをつけていても、会話や呼吸でも、小さな飛沫(エアロゾルとかマイクロ飛沫と呼ばれる)を放出しており、感染した人と一緒に2~3時間を共有すると、うつる又はうつされる可能性がある 室内(オフィス、自宅、飲食店、飲み屋、デパート、博物館・美術館…

マスクをつけていても、会話でうつる又はうつされる可能性がある:

新型コロナウイルス感染は飛沫や接触だけではなくエアロゾル(マイクロ飛沫)感染ルートがあるので、”会話時間”や”密環境”に注意 マスクをつけての会話も安心できない ーー会話の時間が短いかどうか ーー換気設備のある部屋かどうか 新型コロナウイルスに感…

われわれウイルスの眼から見ると:

日本でもワクチン接種に向けて必死になってきているが、本当に予定通り進むのかなと疑問視している ーーわれわれウイルスの子孫繁栄という至上命令に対しては、今のところワクチンだけが大きな障害となるのでーー イスラエルと欧米各国からの報道にみられる…

dept24’s diary・生田和良・大阪大学名誉教授 dept24’s diary・生田和良・大阪大学名誉教授 ウイルスの目を通して、人間社会のウイルス感染症についてつぶやきます。 2021-05-09 ■ 飲食店で、もし新型コロナウイルス感染者が発生しているとすると、無症状の期間(発症前の数日)に「密状態での数時間の空間共有」が原因では?

大阪府のホームページで、2021年3月25日にこっそり追記されていた「<CO2センサー><マスク会食>等(図中の最後の行の赤字の部分) このCO2センサーを使って、積極的に換気を促すことは素晴らしい。実際にこれが大阪のどの飲食店でも実施されれば、時短営…

家庭内の家族団欒で、オススメの過ごし方

<p>今週のお題「おうち時間2021」</p> 家庭内で、新型コロナウイルスの感染が起こりやすいのは、感染していても、無症状の期間(発症前の数日)の家族団らんが原因では? 新型コロナウイルスに感染すると、からだの中でウイルスが徐々に増え始め、一定のウイルス量…

われわれウイルスの眼から見ると 家庭内で感染が発生しやすいのは、無症状の期間(発症前の数日)の家族団らんが原因では?

家庭内感染を防ぐには、換気が大事 できればCO2センサーで1000ppm以下を維持しよう 新型コロナウイルスに感染すると、からだの中でウイルスが徐々に増え始め、一定のウイルス量になると症状が現れる(ここまでの日数は人によって異なる。多くは1週間程度で…

われわれウイルスの眼から見ると 日本の感染者急拡大の一番の原因は、飛沫感染と接触感染にフォーカスした注意喚起ばかりで、換気が必要なエアロゾル(マイクロ飛沫)感染対策が遅れているからでは?

5月3日、5月5日の記事に引き続き、再度この周辺の人にうつしていない80%以外の、残りの20%(周辺の人にうつした人の割合)にフォーカスしたいと思います。 昨日の記事に用いた図(政府の専門委員会、厚生労働省の資料を元に、分かりやすい形に作り直したもの…

われわれウイルスの眼から見ると 日本の感染者急拡大の一番の原因は、飛沫感染と接触感染にフォーカスした注意喚起ばかりで、換気が必要なエアロゾル(マイクロ飛沫)感染対策が遅れているからでは?

5月3日の記事: 専門家のコメントや記事でよく伝えられている通り、われわれ新型コロナウイルスがうまく入り込んだ人間のほとんど(80%)は周辺の人にうつしていないそうで、感染者の多くはウイルス伝播貢献者ではないらしい。 あとの20%くらいの人が、周辺…

われわれウイルスの眼から見ると 感染者急拡大の一番の貢献者(いわゆるスーパースプレッダー)の存在とエアロゾル(マイクロ飛沫)による伝播ルート ――人間にこのことを知られるのが怖いーー

専門家のコメントや記事でよく伝えられている通り、われわれ新型コロナウイルスがうまく入り込んだ人間のほとんど(80%)は周辺の人にうつしていないそうで、感染者の多くはウイルス伝播貢献者ではないらしい。 あとの20%くらいの人が、周辺にいる人にうつ…