dept24’s diary・生田和良・大阪大学名誉教授

ウイルスの目を通して、人間社会のウイルス感染症についてつぶやきます。

本ブログでは、ウイルスの眼を通して、人間社会の新型コロナの状況を見る

「ウイルスの眼を通して」  vs  「人の眼を通して」

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ウイルスの眼を通して

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人の眼を通して

 

 ウイルスは、感染した宿主細胞に子孫ウイルスの産生をお願いする立場である。まず、子孫ウイルスを作るための遺伝情報(ゲノム)を送り込む。そして、たくさんの子孫ウイルスを産生してもらい、その子孫ウイルスを人間社会に放出させる。これが人間社会に様々な混乱を巻き起こすトリガー(引き金)になっている。

ほとんどの記事は、新型コロナウイルスによるパンデミック状況を述べている。それは、それぞれの国によって異なっている。当然ながら、人間の立場からの状況である。

 

 本筆者は長年ウイルスのことばかりを考えて、ウイルスの立場で物事を進める仕事に携わってきた。したがって、どうしてもウイルスの眼を通して、物事を見る癖が身についてしまっている。自分たちが送り出した子孫ウイルスがどのような状況を生み出しているのか、ウイルスの側に立つと、人間社会はどのように映っているのかとの思いで、このブログを書いている。もちろん、それぞれの国でかなり違って見えると考えられる。

 そこで、本ブログでは、時に、そのようなウイルスと人間がこの人間社会で織りなすパンデミック状況を、ウイルスの眼を通して見た感想を記事にしている。

ウイルスになったつもりで読んでいただければ幸いである。

 ウイルスは、ただ自由気ままに子孫ウイルスの繁栄だけを考えていると思われる(もちろん、実際にはウイルスが考えているはずはない)。自身のゲノムがRNAであることを良いことに、でたらめに(ランダムに)あちらこちらにゲノムの読み間違い(コピーミス)を起こしている。その結果、コピーミスゲノムをもらった子孫ウイルスの多くは滅亡していった。ところが、中にはそのコピーミスが幸いし、より多くの子孫ウイルスを作ったり、より感染しやすくなったりしたウイルスがのさばるという結果になっている。