dept24’s diary・生田和良・大阪大学名誉教授

ウイルスの目を通して、人間社会のウイルス感染症についてつぶやきます。

われわれウイルスの眼から見ると 日本の感染者急拡大の一番の原因は、飛沫感染と接触感染にフォーカスした注意喚起ばかりで、換気が必要なエアロゾル(マイクロ飛沫)感染対策が遅れているからでは?

5月3日の記事:

 専門家のコメントや記事でよく伝えられている通り、われわれ新型コロナウイルスがうまく入り込んだ人間のほとんど(80%)は周辺の人にうつしていないそうで、感染者の多くはウイルス伝播貢献者ではないらしい。

 あとの20%くらいの人が、周辺にいる人にうつしている。その中に、ごく一部であるが、1人で10人以上もの人にうつしている感染者の存在も知られるようになっている。

 

 以上の記事についてわかりやすいように下に図(政府の専門委員会、厚生労働省の資料を元に、分かりやすい形に作り直したもの)で示した。

 

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 すなわち、換気の良い空間でうつした人の割合と換気の悪い空間でうつした人の割合は、こんなにも違っていることがわかっていただけると思う。

 換気の悪い空間では15人中11人(73.5%)、換気の良い空間では95名中16(16.7%)がうつしている。うつしている人数は、圧倒的に「換気の悪い空間で」が多い。

 このように、換気対策を積極的に進めれば、飲食店や会議室、そして家庭内など感染者と同じ空間にいても、うつされるケースは格段に低下すると考えられる。この点をもっと注目することが重要ではないか?

 この換気の良い環境が、われわれウイルスの弱みになっている。幸いにも、日本では換気対策の進め方が甘いので、子孫繁栄ができている。すでに欧米では、ワクチン接種対策によって、われわれウイルスの子孫繁栄計画は壊滅寸前である。