dept24’s diary・生田和良・大阪大学名誉教授

ウイルスの目を通して、人間社会のウイルス感染症についてつぶやきます。

家庭内の家族団欒で、オススメの過ごし方

<p>今週のお題「おうち時間2021」</p>

家庭内で、新型コロナウイルスの感染が起こりやすいのは、感染していても、無症状の期間(発症前の数日)の家族団らんが原因では?

 新型コロナウイルスに感染すると、からだの中でウイルスが徐々に増え始め、一定のウイルス量になると症状が現れる(ここまでの日数は人によって異なる。多くは1週間程度で、中には2週間かかる人もいる)。

 しかし、症状が現れる数日前の無症状の状態でも周辺の人にうつす可能性がある(発症の2~3日前からといわれているが、和歌山県の調査では4日前でもうつした例があった)。症状がない時期は、無症状、無症候状態、もしくは不顕性という言葉で表現される。

 家庭内では、家族の誰かが新型コロナウイルスに感染している可能性があるとは、普通は思わない。したがって、この状態では締め切った部屋でエアコンを使い、家族団らんの時間を持つことが通常である。この時、家族の誰かが外で感染し、発症前までこのような家族団らんの時間を共有していたとすると、他の家族メンバーにうつしてしまっていることが容易に想像できる。

 そこで、感染者がいない時期から、このような状況を考慮して、換気をしながら家庭内の”密”状態を避ける努力をする必要がある。できれば、その”密”の状態を目に見えるように(数値化)するために、CO2センサーをリビングに置いて1000ppm(望ましいのは700ppm以下)を維持できるように配慮することが求められる。特に、通勤時や職場で多くの人に接触する人や、学校で常に多くの友達に接する児童や学生が家族メンバーにいる場合には、今後必須の対策になると考えられる。

ウイルスにとっては、換気の良い家庭ばかりになってしまうと、家庭内でクラスターを起こせなくなり、大打撃になってしまうのだ。